日本株短期投資推奨銘柄レポート
2025年6月9日(月)取引向け戦略分析
※本レポートは6月6日の市場データに基づき作成し、6月9日の取引向けに更新しています
エグゼクティブサマリー
2025年6月6日の日経平均は37,741.61円(前日比+0.50%)で引け、月間では+2.62%の上昇を記録しました。来週は6月11日の米国CPI発表が最大の注目イベントとなり、インフレ動向と金融政策への影響が市場の方向性を決定づけます。
- 日経平均RSI 77.89と買われ過ぎ圏に到達、一時的な調整リスク
- 米国CPI(6月11日)の結果次第でドル円・日本株の大きな変動可能性
- 金融・不動産セクターは金利正常化の恩恵継続
- 輸出関連株は米中貿易摩擦と円高リスクで慎重姿勢
- 37,000-38,500円のレンジ内取引を予想
市場環境と週明けの見通し
日経平均株価
週間予想レンジ
ドル円相場
重要イベント
基本シナリオ(確率65%):日経平均は37,000-38,500円のレンジ内で推移。買われ過ぎ感から上値は重いものの、企業統治改革の進展と金融正常化が下支え。特に6月11日の米CPI発表前は様子見ムードが強まり、出来高減少が予想されます。
推奨銘柄リスト(リスクレベル別)
【低リスク】安定成長型(2銘柄)
(8316)
低リスク
推奨理由
- 2025年度純利益1.3兆円予想(過去最高益更新)
- アジア事業の拡大で海外収益比率上昇
- 配当利回り4.2%と高水準
リスク要因
- 景気減速による貸倒れ増加懸念
- 規制強化リスク
(4063)
低リスク
推奨理由
- 半導体材料での圧倒的な市場シェア
- 2025年度利益5,340億円予想
- AI需要拡大の恩恵を直接享受
リスク要因
- 半導体市況の変動
- 競合他社の追い上げ
【中リスク】成長加速型(3銘柄)
(9983)
中リスク
推奨理由
- 上期売上高1.79兆円(前年比+12%)の好調継続
- グローバル展開加速で海外比率60%超
- 国内消費回復と訪日客需要の恩恵
リスク要因
- 中国市場の減速懸念
- 原材料コスト上昇
(3436)
中リスク
推奨理由
- 世界第2位のシリコンウエハーメーカー
- AI・データセンター向け需要急拡大
- 300mmウエハーの供給逼迫で価格上昇
リスク要因
- 半導体サイクルの影響
- 設備投資負担
(8035)
中リスク
推奨理由
- 2025年度売上高前年比+34.2%、営業利益+61.3%予想
- 最先端プロセス向け装置で高シェア
- アナリストコンセンサス目標株価30,526円
リスク要因
- 米中技術規制の影響
- 顧客の設備投資延期
【高リスク】短期急騰型(3銘柄)
(9166)
高リスク
推奨理由
- エンターテインメントテクノロジーの革新企業
- デジタル変革による成長加速
- M&Aによる事業拡大戦略
リスク要因
- 小型株特有のボラティリティ
- 競合激化
(4587)
高リスク
推奨理由
- 独自の創薬プラットフォーム技術
- 大手製薬会社との提携拡大
- パイプライン進展による期待値上昇
リスク要因
- 創薬開発の不確実性
- バイオセクター特有の変動性
(6857)
高リスク
推奨理由
- AI半導体テスト装置需要の急拡大継続
- 先端プロセス向けテスターで高シェア
- テクニカル的に上昇トレンド継続
リスク要因
- 半導体市況の急変リスク
- 短期的な過熱感
【超高リスク】投機的銘柄(1銘柄)
(141A)
超高リスク
推奨理由
- リテールテクノロジーの革新企業
- 無人店舗技術で業界リード
- 時価総額2,667億円で成長余地大
リスク要因
- 新規上場銘柄の高ボラティリティ
- 事業モデルの実証段階
今週の重要イベントと影響分析
- 8:50 日本GDP(確報値)第1四半期:前期比-0.2%予想、下振れなら内需株に売り圧力
- 8:50 日本経常収支・貿易収支(4月):貿易黒字縮小なら円安要因
- 21:30 米国CPI(5月):予想値2.5%を上回れば利下げ期待後退でドル高・株安
- 関税影響による物価上昇圧力に注目
- 21:30 米国PPI(5月):企業の価格転嫁動向を確認
- 13:30 日本鉱工業生産(確報値)4月:製造業の回復度合いを確認
- 23:00 米ミシガン大学消費者信頼感指数(6月速報値):消費者マインドの変化に注目
セクター別投資戦略
金融(★★★★★):三メガバンク合計で純利益4兆円超、利ざや改善継続
不動産(★★★★★):東京住宅賃料+6.4%上昇、外国人投資+18%増
建設・素材(★★★★):インフラ投資回復、大阪万博需要
テクノロジー(★★★):AI需要は強いが、バリュエーション高め
小売・サービス(★★★):国内消費回復も、人手不足が課題
自動車(★★):米国関税25%、中国市場低迷、EV化の遅れ
製造業・工業(★★):輸出依存度高く、貿易摩擦の影響大
リスク管理指針
- ポジションサイズ:1銘柄あたり総資産の5-10%以内に抑制
- 損切りライン:エントリー価格から5-7%下落で機械的執行
- 利益確定:目標株価の80%到達で半分利確、残りはトレール
- 米CPI前のポジション調整:6月10日までに高リスク銘柄は縮小
- レンジ相場対応:37,000円買い、38,000円売りの逆張り戦略
重要な注意事項
- テクニカル警戒:RSI 77.89の買われ過ぎ、一時的調整に備える
- 為替リスク:142円割れで輸出株への売り圧力増大
- 米CPI影響:予想を上回れば全面安のリスク
- 日銀政策:年内追加利上げ観測、金融株有利も全体には重石
- 地政学リスク:台湾情勢、中東不安定化に警戒
まとめと投資方針
6月9日からの週は、11日の米CPI発表を最大の焦点として、慎重な投資姿勢が求められます。日経平均は買われ過ぎ圏にあり、37,000-38,500円のレンジ内での取引を想定。金融・不動産セクターの選別買いと、輸出関連株の売り圧力という二極化相場が継続する見込みです。
短期的には調整リスクに備えつつ、中期的には42,500円を目指す展開を維持。個別銘柄選択とリスク管理の徹底が成功の鍵となります。